腰痛とレントゲンやMRIなどの画像検査
腰痛で整形外科に受診すると、ほぼ確実にレントゲン、場合によってはMRIの画像検査を勧められると思います。
レントゲンやMRIは画像検査が整形外科にしかできないことですので、ぜひ進められた場合には受けた方が良いと思うのですが
腰痛診療ガイドラインでは、腰痛に対する画像検査についてこのように書かれていました。
要約すると
・初診でレントゲンを検査することは大切だが、定期的にレントゲンを撮影しても臨床結果は変わらない。
・問診、診察などの結果、一番多い腰痛(非特異的腰痛)であると想定される場合は、必ずしも画像検査を必要としない
・非特異的腰痛である方の約53%は推奨されていない画像検査を受けている。
・下肢痛のない腰痛の患者様では、腰痛発症後6週以内の画像検査の結果と1年後の画像検査の改善所見はない
・非特異的腰痛の主因を特定されるためのMRI検査は、原因が特定されるほどの正確性はない
非特異的腰痛とは
画像検査では原因を特定できない腰痛の総称です。
腰痛全体の80%以上はこの非特異的腰痛です。
つまり
この非特異的腰痛であるかどうかを確かめるために病院で検査を受けることは
【とても大切】ということになります。
腰痛で考えられる、最悪なケースとして
【癌、骨折、結石、脊椎炎、大動脈解離】などがあります。
これらの最悪のケースかもしれないと1つの場合に【red flags】と呼ばれるもの判断基準があります。
【red flags】
・年齢が20歳未満55歳以上である
・外傷歴がある
・症状が進行している
・胸椎の痛み
・癌になったことがある
・長期間ステロイドを服用
・全身的な体調不良
・原因不明の体重減少
・足に力が入らない、尿漏れが起こる
・発熱
これらに当てはまる場合には【必ず病院を受診】してください
一般的な腰痛ではない可能性がかなり高いです。
今回、1番みなさんに伝えたかったことは
【その腰痛の適切な対処を行っていますか?】ということです。
例えば
腰痛で病院を定期的に受診し、定期的にレントゲンやMRIなどの画像検査を行っている
→非特異的腰痛→検査をしても臨床結果は変わらない
下肢痛があり、整骨院や整体、鍼灸には通っているが、どんどんひどくなっている
→特異的腰痛の可能性→病院で検査を受けるべき
病院でできる事と私達の分野である鍼灸、整体でできることが違います。
そのため、患者様にもある程度は腰痛の知識として持っておかないと
腰痛を治したいのに、あまり治る方向ではない方に尽力されているかもしれません。
ぜひ、参考にしてみてください。