病院に行くべき腰痛

慢性腰痛は日本でもトップクラスに悩まれている方が多く

厚生労働省国民生活基礎調査(2016)における国民の腰痛の人口対有訴者数は全愁訴のなかで男性が1位、女性が2位を占めます。

さらに、男女ともに通院者率の上位5傷病に腰痛症が入ります。すなわち腰痛は医療者が遭遇する機会の最も多い愁訴です。

当院にご来院される患者様も1番多いのが慢性腰痛をお持ちの方です。

そのような患者様も、病院や治療院など様々な所に通っていた方が多いのですが、そこから察するに

「どこに行くのが一番いいのか?」「病院で検査すべきか?」

と悩んでいる方が多くいらっしゃいます。

正解は無いのですが、その中でも

「必ず病院に行った方が良い」

腰痛に付随するの症状を挙げてみました。

重篤な脊椎疾患を疑うべきものとして

・発症年齢20~55歳
・時間や活動性のない腰痛
・胸部痛
・がん、ステロイド治療、HIV感染の既往
・栄養不良
・体重減少
・広範囲に及ぶ神経症状
・構築性脊椎変形
・発熱

(腰痛診療ガイドライン2019 第二版より)

特に「広範囲に及ぶ神経症状」として

進行性または明らかな筋力低下、知覚異常、反射の亢進・減弱、膀胱直腸障害(排尿や排便のコントロールができなくなる)というものがあります。

このような症状は自分でも判断がつきやすいですので、すぐに病院を受診して、レントゲンやMRIなどの画像検査、血液検査を行いましょう。

また、神経障害の合併が示唆されない腰痛では、必ずしも早期の画像検査や侵襲的検査を行う必要はなく

疼痛と機能障害に応じた保存療法を4~6週間行い、治療への反応性を確認する。

(腰痛診療ガイドライン2019 第二版より)

とあります。

当院で腰痛の治療を初めて行う方や、病院に行って検査をまだ受けていない方に対して

上記のようなことがある場合には、必ず病院を受診して頂きます。

特に「膀胱直腸障害」は、手術が遅れると後遺症が残る可能性があります。

腰痛の原因は本当にたくさんあります。

脊椎とその周辺の運動器由来、神経由来、内臓由来、血管由来、心因性などなど・・・・

当院の治療のメインは整体ですが

整体で改善される腰痛が多いですが、まず病院で診てもらうべき腰痛ももちろんあります。

【すべてが整体で治る訳でもなく、病院で治る訳でもない。】

ここがもっと浸透してほしい部分でもありますし、みなさんに知っていただきたいと思う部分であります。

ぜひ参考にしてみてください。