体幹の筋肉と慢性腰痛の関連性
よく腰痛予防に体幹の筋肉を鍛えましょう!ということを耳にするので、論文があるのか調べてみました。
「慢性腰痛に対する体幹深層筋に注目した運動療法の有効性」という論文を見つけたので、一部抜粋してお知らせいたします。
結論
【効果あります】
第1節:年齢別で腹筋群(腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋)の筋肉の厚みに差はあるのか?(健常者の人が対象)
・20歳以上25歳未満、25歳以上45歳未満、45歳以上65歳未満、65歳以上75歳未満、75歳以上に分けて測定。
結果、年齢が上がるにつれ、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋と呼ばれる腹筋の厚さが低値を示しました。
また、25歳以上になると腹直筋、45歳以上になるとが外腹斜筋、内腹斜筋が有意に低値を示しました。
しかし、腹横筋と呼ばれる腹筋の厚さに年齢による有意差が認められませんでした。
腹横筋は歩行時によく使われる筋肉でもあるので、加齢に伴う影響を受けにくいということが考えられるようです。
第2節:慢性腰痛患者と健常者における、年齢別での腹筋群の筋肉の厚みに差があるのか?
・同じように、20歳以上25歳未満、25歳以上45歳未満、45歳以上65歳未満、65歳以上75歳未満、75歳以上に分けて測定。
結果、腹筋群の中でも腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋と呼ばれる腹筋の厚さに有意差は認められんせんでした。
しかし、第1部で年齢が上がるともに唯一、低値を示さなかった「腹横筋」が慢性腰痛患者に有意差を認めました。
第3部:腹横筋をエクササイズすると慢性腰痛は軽減するのか?
エクササイズを3か月、段階的に難易度を設定し、慢性腰痛が軽減するか検証しました。
行ったエクササイズは
臍引き込み運動(ドローイン)、四つん這いでの四肢挙上運動(ハンドニー)です。
結果、腹横筋の筋厚みも増大し、腰痛および、下肢と殿部痛が減少しました。
以上が論文に書いてあった内容の一部抜粋でした。
巷で言われている「腰痛には体幹の筋肉を鍛えましょう」はあながち間違えでは無さそうですね。
中でも「腹横筋」に刺激が入る運動は、慢性腰痛に効果的なようです。
ただ、この論文の最後にも書いてありましたが
他の腰痛対策と比べて今回のエクササイズが、どれぐらい効果があるのかということを検証する必要性がある。
ということです。
なので、慢性腰痛対策の選択の1つとして「腹横筋」のエクササイズということは思っていても大丈夫そうです。
腰痛患者様が日本に4000万人以上おられるというデータがあります。
3人に1人は腰痛持ちです。
慢性腰痛について、様々な情報が飛び交っていますが
根拠ある情報発信をしていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。